特別支援プリントの選び方|文字・問題数・手がかり

特別支援プリントの選び方。文字、問題数、始める場所の手がかりを示した教材のイラスト。

「内容は分かっていそうなのに、プリントになると手が止まる」「どこから始めればよいか迷っている」。教材を探すときは、学年や単元と一緒に、紙面の見やすさや取り組む量も見比べてみましょう。

この記事では、文字の大きさ、問題数、視覚的な手がかりの3つを、比較の例とともに紹介します。本人の希望を聞きながら、短い場面で使い心地を確かめるための目安です。

文部科学省の教材に関する報告では、一人一人の状態や特性に応じた教材の活用や、読む箇所の強調、行間を広くする工夫などが示されています。以下の具体例は、そうした考え方を日々の教材選びに使うために整理したものです。文部科学省「障害のある児童生徒の教材の充実について 報告」

本文の比較図は、こども支援ノートが作成した例です。図をタップすると拡大して見られます。

観察する点見本で比べるところ
文字を追う・書く文字の大きさ、行間、答える欄の広さ
始める・続ける1枚の問題数、終わりの分かりやすさ
場所・順番を知る書き始めの印、例題、番号、絵や実物
目次

1.文字の大きさと、書く場所の広さを見比べる

同じ6文字を、小さい文字と狭いマス、大きい文字と広いマスで比較した図。
同じ文字数で、文字と書く欄の大きさを比較した例です。

見本を画面で拡大するだけでなく、実際に使う用紙サイズで1枚印刷してみます。問題文を読む場所と答えを書く場所が、すぐに見つかるかを確認しましょう。文字の大きさと一緒に、文字同士の間隔や行間、マスの広さも見ます。

比較の例:ひらがなの練習なら、同じ文字を扱う「小さいマスがたくさんある紙」と「大きいマスが少数ある紙」を見比べます。本人が指で文字を追えるか、見本を確かめながら書けるか、枠の中で窮屈そうになっていないかを見て、次に使う紙を選びます。

読みやすい形と、書きやすい形は分けて確かめます。本人が「こっちのほうが見やすい」「ここは書きにくい」と伝えられるときは、その感想も大切な手がかりです。

2.問題数と、終わりの分かりやすさを確かめる

足し算を10問載せた紙面と3問載せた紙面を並べ、それぞれの終わりを示した比較図。
3問・10問は比較のための例で、全員に合う基準ではありません。

問題数は、今できる内容をどれくらい練習するかという視点で選びます。まず、内容の難しさと紙面の量を分けて考え、すでに取り組める課題で量を見比べると、何が負担になっているかを確かめやすくなります。

比較の例:足し算の練習を、10問の紙面と3問の紙面で見比べます。「ここまで取り組んだら終わり」と先に確認し、始めるまでの様子や、途中で休みたくなるかを見ます。3問や10問は比較のための例で、全員に合う基準ではありません。

少ない問題から試したあとも、本人が続けたいか、十分練習できたかを確かめて量を見直します。答えた数や速さだけで判断せず、次の問題に自分から進めるか、手助けを求められるかも見てみましょう。

3.視覚的な手がかりは、目的を決めて選ぶ

7個の丸をばらばらに並べた例と、10の枠に7個を並べた例を比較した図。
どちらも7個。枠などの手がかりを本人が理解し、使えるかを確かめます。

書き始めの点、進む方向の矢印、番号、例題、数を表す枠などは、取り組む場所や方法を伝える手がかりになります。今知りたいことに関係する印が、必要な場所にあるかを見ます。

比較の例:「どこから書くのか」で迷うなら、書き始めに点があるひらがなプリントを候補にします。数を数える課題なら、ばらばらの絵と、10の枠に並んだ絵を見比べます。本人が点や枠の意味を分かっているか、一緒に確かめてから使います。

実際の教材では、いちごドリルの「配慮版」に、書き始めを示す印、数のまとまりを示す枠、広い運筆の道などの例があります。紙面を見比べる際の参考になります。いちごドリルの療育・特別支援向けプリント一覧

印や絵が多いと、どこを見ればよいか迷う場合もあります。どの手がかりを使ったかを確かめ、文字、写真、絵、実物など、本人が理解しやすい方法を選びましょう。

4.短く試して、変えるところを一つ決める

内容と終わりを伝える、短く試す、本人の感想を聞く、一つ見直すという4段階の図。
学習内容は保ちながら、量や行間など比べる点を一つ決めて試します。

初めて使う教材は、短い場面で試します。学習内容はそのままにして、量だけを変えるなど、比べる点を一つにすると、次の教材を選ぶための手がかりが残ります。

  • 本人に、取り組む内容と終わりを伝える。
  • 始める場所が分かったか、途中でどこに迷ったかを見ておく。
  • 「見やすい?」「量はどう?」など、答えやすい聞き方で感想を確かめる。
  • 休みたい、今日は使いたくないという希望も受け止める。
  • 次は文字、量、手がかりのうち一つを見直して試す。

例えば「最初の問題には取り組めたが、2行目を探すときに止まった」と残しておけば、次は行間や問題の区切りを見比べる、という具体的な選び直しにつながります。

5.印刷方法と利用条件も確認する

用紙サイズと向き、印刷後の切れや大きさ、利用案内の3点を確認する図。
画面での見え方に加え、印刷した紙と配布サイトの利用条件を確認します。

同じデータでも、用紙サイズや印刷時の拡大・縮小で文字や答える欄の大きさが変わります。指定された用紙サイズと向きで印刷し、文字や枠が切れていないかを確かめてください。

配布サイトによって、拡大印刷、切り取り、文字の変更、再配布などの条件は異なります。編集が認められていない教材では、別の問題数や大きさの版を探す方法もあります。学校や事業所で配る前に、各サイトの利用案内を読みましょう。

教材を探す・使い方を確認する

候補を広く探したい方は、特別支援に使えるプリント・教材サイト10選もご覧ください。学習プリント、絵カード、生活の教材を目的別に紹介しています。

参考情報の確認日:2026年10月4日。比較の例は、教材選びを考えるための例として作成しています。

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この記事を書いた人

ふくろうのアバター ふくろう 公認心理師 / こども支援ノート運営

公認心理師。心理職として10年、児童相談所・放課後等デイサービス・福祉施設などを経験。こども支援ノートを個人で運営しています。

子ども本人の希望や表現方法を大切にしながら、活動の見通し、気持ちの伝え方、支援の振り返りに役立つ資料やWebツールを紹介しています。

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